World Cup/表彰式
無傷のイタリア、全勝優勝。
強かったー!凄かったー! という印象をあまり受けないのに、攻守共に穴のない、破綻のないバレー。司令塔ロビアンコが背中を痛めて抜けても、控えのフェレッティが最後の3試合を全く問題なく務めた。層の厚さも完璧。
雄たけびリニエーリやチェントーニ、スパイクの破壊力抜群だったトグット・・などがいなくなって、随分地味な印象にはなったけど、3年ぶりに代表に復活したジョーリの活躍が、なにより嬉しかった。
以前にも書いたけど、ジョーリはアテネ直前に代表から外された。アテネ後に、「北京を目指す」という記事が出ていて(詳細はこちら)、そこに、彼女は「Ms.Block」(記事中ではイタリア語だったが、なんと言うのか忘れた)と呼ばれているが、「ブロックだけ」と揶揄されたり、「ジョーリの時代は終わった」という声もある、と書かれていた。
でも今回復活を果たしたジョーリは、終わったどころか以前よりずっと洗練されたプレーヤーになっていた。ブロック、速攻、ブロード、特に芸術的なブロードには、打つたび会場中からため息のような感嘆の声が上がっていた。
そして、なにより彼女の特徴であった「怖さ」が随分と和らいでいた。以前は、ネット前で両手を広げて相手を威嚇している姿など、怖くて怖くて、夜中に会ったらどうしよう・・・と思ったものだ。
今回は、相手は関係ない、自分が最高のプレーをするだけだ、というような、自信と落ち着きに溢れた表情をしていた。挫折を乗り越え、母になり、新たな表情を沢山見せてくれた。でももしかしたら、もともとひょうきんな人なのかもしれない。
さて、2位になったブラジルは、今大会は「ほんとにこれがブラジル?」と思うような場面が何度かあったが(特にイタリア戦)、表彰式でもおとなしかった。2位という結果に複雑な心境だったのか。
やっぱりブラジルには、試合で思う存分暴れて、試合後や表彰式でははじけていてほしい。
3位のアメリカは、シコラを中心に写真を撮ろうと思っていたのに、こちらに目が釘付け。
浜松の開会式のときにも、ポケットに両手を突っ込み、ガムをくちゃくちゃさせながら、かったるそうに歩いていたトム。表彰式でもガム噛んでるなあと思ったら、整列時にプクーッ、パチンと何度もやっていた。
個人賞の発表など、着々と式が進む中、ふと見ると・・・
きっと彼女はいわゆるrebelなんだろう。こちらの記事を読むと、トムの人となりがわかって面白い。あらゆることに、かなり批判的な立場を取っている。
ただ、彼女の中で、バレーへの情熱は本物だと思う。名古屋初日、セルビア戦のときに足首を痛め、その後スパイクで着地するたびに苦痛で顔を歪めたり、あまりの痛みに飛び上がってけんけんをしたり、倒れてそのまま立ち上がれなくなったりしていた。それでも最後までやり通していた姿には、感動した。
そのトムのバレーへの情熱を考えると、表彰式で「ふんっ、こんなもん」というポーズをとりながらも、内心はかなり悔しい気持ちも抱えていたんじゃないか、と思う。
アメリカの他の選手たちは、シコラがかなりはじけていたものの、みんな真面目に参加していた。
と思いきや。
陽気なアメリカ選手たちには、今大会、本当に楽しませてもらった。
その他、個人賞受賞の主な選手。

Best Libero、カルドゥロ。愛称・カルドゥロリータ。(うそ)
FIVBのページを見ると、Best DiggerもBest Receiverも、佐野選手が一位。カルドゥロは今回、Best Diggerは6位で、Best Receiverは圏外。本来なら文句なく佐野選手が受賞するところだろう。まあ、イタリアが優勝チームだからカルドゥロが選ばれたのだろうけど、今までの大会なら、きっと佐野選手が選ばれていたと思う。なんとなく、世界選手権の余波を感じて、気の毒。
個人的には、日本戦でスーパーキックレシーブを見せてくれた、ブラジルのファビにも何か賞をあげたかった。
そして再び、MVP受賞のジョーリ。MVP候補は、ジョーリ、トム、アゲロの3人だった。
世界選手権のときとは違って、淡々とした雰囲気の表彰式だった。でもひとりひとりの選手の表情の中に、いろいろな思いやドラマを感じた。
世界選手権のときには、一体何人の選手の涙を見たか、わからない。今回は、涙は殆ど記憶にない。でも、何年ぶりかにアメリカがブラジルを破った試合など、忘れられない試合やプレーもあった。
また少しずつ、思い出しながら、更新していきたい。
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