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2007.11.20

World Cup/表彰式

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            MVP、シモーナ・ジョーリ

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      左、キャプテン・ロビアンコ、右アンツァネッロ

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     左から、アゲロ、フェレッティ、デルコーレ、ジョーリ

無傷のイタリア、全勝優勝。
強かったー!凄かったー! という印象をあまり受けないのに、攻守共に穴のない、破綻のないバレー。司令塔ロビアンコが背中を痛めて抜けても、控えのフェレッティが最後の3試合を全く問題なく務めた。層の厚さも完璧。
雄たけびリニエーリやチェントーニ、スパイクの破壊力抜群だったトグット・・などがいなくなって、随分地味な印象にはなったけど、3年ぶりに代表に復活したジョーリの活躍が、なにより嬉しかった。

以前にも書いたけど、ジョーリはアテネ直前に代表から外された。アテネ後に、「北京を目指す」という記事が出ていて(詳細はこちら)、そこに、彼女は「Ms.Block」(記事中ではイタリア語だったが、なんと言うのか忘れた)と呼ばれているが、「ブロックだけ」と揶揄されたり、「ジョーリの時代は終わった」という声もある、と書かれていた。
でも今回復活を果たしたジョーリは、終わったどころか以前よりずっと洗練されたプレーヤーになっていた。ブロック、速攻、ブロード、特に芸術的なブロードには、打つたび会場中からため息のような感嘆の声が上がっていた。

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そして、なにより彼女の特徴であった「怖さ」が随分と和らいでいた。以前は、ネット前で両手を広げて相手を威嚇している姿など、怖くて怖くて、夜中に会ったらどうしよう・・・と思ったものだ。
今回は、相手は関係ない、自分が最高のプレーをするだけだ、というような、自信と落ち着きに溢れた表情をしていた。挫折を乗り越え、母になり、新たな表情を沢山見せてくれた。でももしかしたら、もともとひょうきんな人なのかもしれない。

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     最終日、アメリカ戦でMIPに選ばれ、踊るジョーリ

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           ベストブロック賞も受賞

さて、2位になったブラジルは、今大会は「ほんとにこれがブラジル?」と思うような場面が何度かあったが(特にイタリア戦)、表彰式でもおとなしかった。2位という結果に複雑な心境だったのか。
やっぱりブラジルには、試合で思う存分暴れて、試合後や表彰式でははじけていてほしい。

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       右、好不調の波が大きかったジャケリネ

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       完全に出産前の状態に戻っていたパウラ

3位のアメリカは、シコラを中心に写真を撮ろうと思っていたのに、こちらに目が釘付け。

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                 プクーッ

浜松の開会式のときにも、ポケットに両手を突っ込み、ガムをくちゃくちゃさせながら、かったるそうに歩いていたトム。表彰式でもガム噛んでるなあと思ったら、整列時にプクーッ、パチンと何度もやっていた。
個人賞の発表など、着々と式が進む中、ふと見ると・・・

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                 ん?

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                飴玉トム

きっと彼女はいわゆるrebelなんだろう。こちらの記事を読むと、トムの人となりがわかって面白い。あらゆることに、かなり批判的な立場を取っている。
ただ、彼女の中で、バレーへの情熱は本物だと思う。名古屋初日、セルビア戦のときに足首を痛め、その後スパイクで着地するたびに苦痛で顔を歪めたり、あまりの痛みに飛び上がってけんけんをしたり、倒れてそのまま立ち上がれなくなったりしていた。それでも最後までやり通していた姿には、感動した。
そのトムのバレーへの情熱を考えると、表彰式で「ふんっ、こんなもん」というポーズをとりながらも、内心はかなり悔しい気持ちも抱えていたんじゃないか、と思う。

アメリカの他の選手たちは、シコラがかなりはじけていたものの、みんな真面目に参加していた。
と思いきや。

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                魔の手・・・

陽気なアメリカ選手たちには、今大会、本当に楽しませてもらった。
その他、個人賞受賞の主な選手。

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           Best Scorer、スコブロニスカ

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            チームメイトたちに投げキッス

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    Best Libero、カルドゥロ。愛称・カルドゥロリータ。(うそ)

FIVBのページを見ると、Best DiggerもBest Receiverも、佐野選手が一位。カルドゥロは今回、Best Diggerは6位で、Best Receiverは圏外。本来なら文句なく佐野選手が受賞するところだろう。まあ、イタリアが優勝チームだからカルドゥロが選ばれたのだろうけど、今までの大会なら、きっと佐野選手が選ばれていたと思う。なんとなく、世界選手権の余波を感じて、気の毒。
個人的には、日本戦でスーパーキックレシーブを見せてくれた、ブラジルのファビにも何か賞をあげたかった。

そして再び、MVP受賞のジョーリ。MVP候補は、ジョーリ、トム、アゲロの3人だった。

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              発表を待つ3人。

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     祝福するアゲロ。彼女にもMVPをあげたかった!

世界選手権のときとは違って、淡々とした雰囲気の表彰式だった。でもひとりひとりの選手の表情の中に、いろいろな思いやドラマを感じた。
世界選手権のときには、一体何人の選手の涙を見たか、わからない。今回は、涙は殆ど記憶にない。でも、何年ぶりかにアメリカがブラジルを破った試合など、忘れられない試合やプレーもあった。
また少しずつ、思い出しながら、更新していきたい。

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2007.11.12

World Cup / USA1 - Stacy Sykora

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         キューバ戦、流れを変えたシコラ

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            3年ぶりにコートに復活

快進撃を続けているアメリカ。
浜松、仙台と3試合見て来て、トム、タイちゃん、バウンなどアタッカー陣の印象的なプレーは沢山あった。が、個人的には、各試合途中からレシーバーとして出場したシコラが、最も印象深かった。3年のブランクがあったとは到底思えないような体つき(細いが超筋肉質、体脂肪は限りなく0に近そう)、卓越した運動能力、反射神経。それに加えて、エビちゃん(櫻井選手)をさらに数段パワーアップしたような、熱い熱いキャラクター。
シコラの存在感は大きく、大一番になったキューバ戦もブラジル戦も、彼女の登場が試合の流れを変えたと思った。キューバ戦では、コートに入るとすぐに、各選手の前に立ち、気合を注入していた。

ブラジル戦、アメリカはサーブレシーブが乱れ、1、2セットを簡単に落とした。第3セット、初めはリードしていたが、次第に点差が縮まった。早くシコラを出せばいいのに・・・と思っていたら、ようやく登場。(今回シコラはリベロ登録ではなく、レシーバーとして出場)

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         出てすぐに、すごいディグを見せてくれた

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             流れは再びアメリカに

仙台ブラジル戦は、当初観に行く予定はなかったが、浜松で見ていて、「これは、アメリカがブラジルを破るかもしれない」と思い、急遽観に行った。アメリカはスロースターターで、いつも最初なかなか集中力が上がらないが、シコラがいる限り、大丈夫、きっとこのままでは終わらない、と思えてくる。

シコラの働きは、コートの中だけではなかった。

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    出番を終えると、すぐにみんなの水分補充。実によく働く!

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          控えゾーンでも、叫ぶ!叫ぶ!

シコラはレフトの新人・グラスと交替で出場していたが、後半サーブレシーブで狙われていたグラスに、タイムアウトのときにレシーブの指導をしていた。こうじゃない、こうするんだ、と身振り手振りで指導していたが、その後グラスのレシーブが本当に安定したのには、驚いた。

彼女の敏捷な動きを見ていたら、バスケでもきっと凄い選手になったんじゃないか、背は176だから、ポイントガードにぴったりだなあ、と思った。そしたら本当に、学生時代、バスケもやっていたらしい。彼女の子供の頃からの夢は「オリンピックに出ること」。そのための選択肢としてバスケと陸上とバレーがあり、悩んでどれも大学でやっていたが、結局バレーで2回オリンピックに出場。恐らく今大会でアメリカは出場権を獲得するだろうから、3度夢が叶うことになる。

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        ファイナルセット、スパイクを放つシコラ

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       ・・・ではなく、飛び上がってガッツポーズ

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     誰かがポイントを入れるたび、誰よりも喜びを表現

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           試合後、朋友トムと

シコラのプレーを生で見たのは今回が初めてだが、こんな人材がいるところが、さすがアメリカ、と思った。ヒョウコンのプレーを生で初めて見たときと同じような驚きがあった。
シコラのプレーを含めて、アメリカの快進撃がどこまで行くのか、残り3試合、非常に楽しみだ。

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